エンジョイ・プレイ

当局の厳しい監視下、性の博覧会「Sexpo2005」開催 シンガポール(エキサイトニュース) 

シンガポール 18日 ロイター] 金曜日、シンガポール初のアダルト博覧会、「Sexpo2005」が開幕した。警察当局は主催者、および出展者がきちんと法律を順守しているか検査を行う予定だという。

ほほう、アダルト博覧会。良いではないか。まあ正直あまり面白くはなさそうだけど、初めてってのはいいですな。表現の幅も広がっていくだろうし。
この種の(ある意味冒険的な)催しが合法か否かという線引きやその線自体の確認作業は必要だろうとは思うけど、以下の点には驚いた。

当局とメディア監視組織は、主催者側にバイブレーターなどのアダルトグッズの展示における規制を確認させ、また、同性愛を助長してはならないと警告している。

警告。うーん。
具体的に何が「助長」に値するのかはわからないが、少なくとも自分の性(アイデンティティ)を公言でき実現できるのは当然の権利に思える。何故助長してはならないのだろう。


疑問に思ったので検索していたら以下の記事を発見した。

[2005.03.14] シンガポール高官「エイズの急増はゲイイベントが原因」と発言Carmilla

9日、シンガポールのパラジ上級国務相が、議会で「同国で毎年開催されているゲイとレズビアンの祭典が、HIV感染者急増の原因となっている可能性がある」と指摘、イベント主催者をはじめとするゲイやレズビアン当事者から批判を集めている。
地元ラジオによると、同相は「同性愛者のあいだで感染者が急増している真の原因は、現時点では判然としないが」と前置きしたうえで、エイズ蔓延地域から同イベントに参加したゲイが地元の同性愛者と交流した結果、シンガポールでの感染者が増えたという伝染病専門家の仮説を紹介した。シンガポールで昨年確認されHIV感染者は311人。これは2003年から28%増加したことになり、うち90%が男性で、その3分の1が同性愛者という。


シンガポール政府 ゲイ・パレード開催を破棄ゲイジャパンニュース, 2005/11/5)

リー首相は6日、外国人記者との昼食懇談会において「シンガポール国民がホモフォビック(同性愛嫌悪)だとは思わない。私は、同性愛者が、ちょうどあなた方や私と同じ人間であるということはもっともだと思う。しかし、シンガポール国民の中にはこの考え方に強い反対意見を持っている人がおり、我々はそのことを知っておかなければならない」と発言。

シンガポールにある同性愛者サポート団体や、同性愛者への理解を持つ人たちは、シンガポール政府に対し、合意の上で行われる同性間性行為を刑法の処罰適応犯罪から除外するよう求めている。


つまりまとめると、
HIV感染者が同性愛者のあいだで急増
・保守的な国民性(を盾にする保守的な首相?)
ここら辺が「同性愛を助長」することに懸念されている背景(の一部)なのだろうか。なんだかかつて経験された話だ。
そもそも同性愛は助長されるものなのだろうか。例えそれまで気付かなかったとしても自分のセクシャリティを自覚できるなら「助長」というよりは「実現」てことで喜ばしいと思うのだけれど。私は現在ヘテロだと自覚しているだけで今後はどうなるやらわからないし。HIV感染の急増を食い止めるにあたって急務なのは同性愛者(の表現)を抑圧することではなく正しいセーフ・セックスを広めることだろう。HIV感染者だって当然セーフ・セックスできるのだから。


しかし合意のうえでの同性間の性行為すらも処罰対象だとは。うーん知らなかった。この「Sexpo2005」もシンガポールの持つ「お堅いイメージを払拭して観光客を呼び寄せる」という目的もあるのだろうから、少なくとも誰かの性を抑圧するようなお堅い方向に廻っちゃいかんのではなかろうか。セーフ・セックス、エンジョイ・プレイじゃなんとかならんのだろうか。